(1)概要
類似群は、類似関係にあると推定される商品又は役務が分類されたグループであり、商品・役務が互いに類似するか否かを判断するための指標として利用されます。
(2)調査等での利用
例えば、「先願商標調査」、「権利範囲の確認」、「拒絶理由解消のための指定商品又は指定役務の補正」などに利用されます。
「先願商標調査」では、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の称呼検索において、商標の読み方(カタカナ)を入力しますが、このとき、商品(役務)の類似群コードを入力すれば、調査の精度を高めることができます。<参考:特許庁 日本における「類似群コード」について>
類似群コードが不明の場合、特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)の「商品・役務名検索」で調べることができます。
特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)
称呼検索:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/t0100
商品・役務名検索:https://www.j-platpat.inpit.go.jp/t1201
(3)審査での利用
商標登録出願では、「1区分内での商品又は役務の指定が広い範囲に及んでいる場合」に、使用について合理的な疑義があるものとして、拒絶理由通知が出されますが、「広い範囲に及んでいる」か否かの判断は、類似群の数に基づいて行われます。
具体的な取り扱いについては、商標審査便覧「41.100.03商標の使用又は商標の使用の意思を確認するための審査に関する運用について」に記載されています。
https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/trademark/binran/index.html
以下、商標審査便覧の抜粋です。
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「原則として、1区分内において、23以上の類似群コード(以下「類似群」という。)にわたる商品又は役務を指定している場合には、商品又は役務の指定が広い範囲に及んでいるため、指定商品又は指定役務について商標の使用及び使用の意思があることに疑義があるものとして、商標の使用又は使用の意思の確認を行う。」
「商標の使用の意思を明記した文書は、例えば(別紙1、2)、また、準備状況を示す書類は、例えば(別紙3)のとおりとし、手続補足書、物件提出書等により提出する。」
「3.商標の使用又は使用の意思の確認をするための書類の提出に代わる手続き
商標の使用又は使用意思に関する証明書類等の提出に代えて、商標の使用に疑義があるとされた指定商品又は指定役務の一部を削除する補正により、「合理的疑義がある場合」に該当しないこととなったときは、商第3条第1項柱書の要件を満たすものとして取り扱う。(以下の例を参照。)
<例1> 1区分内において、23以上の類似群にわたる商品又は役務を指定しているため、商第3条第1項柱書の要件を満たさない旨の拒絶理由の通知を受けたときに、商品又は役務の一部を削除する手続補正書の提出により、指定商品又は指定役務に係る類似群の合計が22以下となったとき
<例2> 省略 」
「②指定商品又は指定役務の一部についての証明書類等の提出の省略について
1区分内において23以上の類似群にわたる商品又は役務が指定されている場合であって、一部の指定商品又は指定役務についての業務が同一出願人が先にした他の出願において証明されているときは、当該指定商品又は指定役務についての証明書類の提出を省略することができるが、業務の証明がなされていない他の指定商品又は指定役務については、それらの商品又は役務の類似群の合計が22以下であっても、類似群ごとに業務の証明を要する。類似の関係にない複数の小売等役務を指定した場合も同様に取り扱うものとし、業務の証明がなされていない小売等役務については、類似群ごとに業務の証明を要する。」
「例えば、従来は1個としてカウントを行っている複数類似群が付与されている商品・役務については、付与されている類似群をすべて数えることとした。」
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以上